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夏己はづき 「デッドリンク」


灰色のルービックキューブ回してるように変わりはしない日常


わけもなく甘い未来を信じてた苦い錠剤飲みこみすぎて


ドーナツの穴からブラックホールでも覗けていたのはいつだったろう


ケチャップで描いた笑顔を1秒で虐殺しちゃうスプーンと君


生ぬるいメロンソーダを飲みほして返事がないというのが返事


リセットにしたくなっても爆弾は熱すぎるから湯たんぽを抱く


飛んだことなんてないのに飛ぶ夢を見たり想像力は正常


夢で見た殺人鬼いわく"わたくしはつきのひかりをかきまわしすぎ"


透明な認識票をつけすぎて傾いてゆく人多いまち


今日もまた天使は降りて街角でまっしろすぎるティッシュを配る


げじげじにはげてしまった水色のマニキュア風に曇ってる空


いつだってフルボリュームのウォークマン くずれるおとをきかないための


目が煮沸消毒される錯覚がします涙のレンズにひかり


雨の日は辞書を眺めたユウウツのウツという字を覚える気なく


舌だけでさくらんぼの枝結べてた何も知らずにいてもよかった


感情に名前をつけることもなく死んだあのこのことを思う日


眠れないわけは最後の一匹の電気羊が故障したから


こいびとの名のように言う君は言う睡眠薬の成分名を


パイオニア10号はゆき僕はたださみしいとだけ繰り返す夜


真夜中にジャングルジムからダイブして青かった雪に埋もれて泣いて


永久に方向音痴のままでいて迷って君に会う日までまた


球体に果てなどなくて旅立つ日世界をきゅっと潰したくなる


マイナスのドライバー手に隠し持ち世界のねじを探しにゆくの


歯車は閉鎖工場跡出土ライムライトの面影もなく


主のない檻にいつかは霊長類ヒト科ヒト属アダムとイヴが


走るだけ走って止まり息を吐くときだけすこしからっぽになる


遠すぎたもの達を追う我の手に月しか撃てぬピストルよ在れ


血が鉄の味がすることそのままが僕らの本質だっただろうか


「そのティッシュ段ボールごともらえます?」ティッシュ配りに笑うジ・エンド


モノクロの無モノクロームまっしろく虹が染まってゆくのを見てた



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